スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

7月, 2022の投稿を表示しています

剣豪将軍義輝

まるで大河ドラマを一年間見るようであった。上中下3巻分600頁、上下段で書かれているから1,200頁分に及ぶ一大巨編だ。謀殺された十三代将軍足利義輝の剣豪としての開眼、将軍としての成長が手に汗握る物語として描かれる。その反対に三好、松永の謀臣どもの非道がより鮮明となって極上の演出となっている。(218/1000)

コナーズといえばジミーコナーズではないのか

今月も今読んでる本で16冊目、あと4冊で今年100冊に到達する。こんな勢いで読んでいるとたまに本に棲んでいる極小の虫がページから飛び立ってくることがある。チャタテムシ、シミ、シバンムシの3種類があるそうだが、飛翔する虫しか見たことがないのでそれらではないようだ。ん?本の虫はお前だろ?なるほどたしかにそうでした。

ミラーニューロン

ノンアルビールでもビール同様旨いなと感じるからワインならどうかなと飲んでみた。恐れていた通りこれはジュースであった。ニコチンのない紅茶を熱する加熱タバコもある世の中。お笑いの世界でもいじめを誘発する虐待系がシャットアウトされたそうだが、毒のない真っ白な世界というものにますます支配されていきそうなのが怖い。 痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティーに関する見解

若冲

群鶏図をはじめ果蔬涅槃図、樹下鳥獣図屏風、猿猴捕月図といった有名な作品だけでも若冲という画家の独自性、異能さがよくわかる。鳥獣花木図屏風の真贋が問われることを題材に、義弟との確執を物語の基軸として展開していく。澤田瞳子らしい筆致が物語に洗練さと切なさを醸し出してくれていて名作と言わざるを得ない。(217/1000)

その男 (一)

池波正太郎の連作だが、一話読み切りで済まそうと思ったら案の定止まらなくなる結末となった。幕末の設定でこういう筋立てもあるのかと快哉を漏らしたくなるのがこの作家の魅力なのだろう。貧弱なタイトルに書架から抜き出す人はさも居なかろうというのが蠱惑的で、あまり他人に教えたくなくなるシリーズものだ。(216/1000)

明るい農村の夏

ここ数年日本酒ひと筋に酔狂してきたのに、ガールフレンドの沖縄土産で泡盛を飲んでから焼酎が飲みたくなった。手頃な安価品を物色していると、細君が指差したのが手に入れにくい逸品だった。なんでも春夏秋冬四季に応じて醸造される特別版のようで、陽が落ちても暑さがおさまらない中での晩酌にはもってこいの酒だ。

ミカドの淑女

なかなか手にすることができなくなった作者のタイトルで手に取らされる一作だ。明治の禁裏に波乱を生じさせた下田歌子を関係者の視点から分析する。維新後間もない宮中の混乱や元勲たちの動揺を幸徳秋水の新聞をもとに見事に描き切っている。さすがは林真理子だと言わざるを得ない。(215/1000)

村上海賊の娘 上下巻

まあなんともはや、上下巻合わせて1,000頁に及ぶ力作だが、ほとんどアニメ漫画の世界かよというような文体で途中でやめようかと思いつつ我慢して読破した。ほぼ史実に基づいて書かれているとはいえ、無駄な描写に紙面が費やされすぎているとしか言いようがない。累計100万部超のベストセラーだそうだが、こんな本読んでるようじゃ日本人もおしまいだ。(214/1000)

歩こう歩こう私は元気

広場の音楽会をなんとかYouTubeにまとめてみた。いろいろ反省点はあるものの、自分自身の大ボケぶりに呆れるやらおかしいやらで大いに楽しめたひと時だった。森、広場、ときて秋と年末にお店の音楽会を実現させれば、「音楽の街づくり」に向けた今年の主要イベントはすべて完了だ。音楽愛好家のネットワークづくりが次の課題だ。

一時間差攻撃

戻り梅雨もどうやら脱して酷暑の日々を迎えた。7時22分スタートスループレーなら割と直射日光も避けられるといそいそとゴルフ場へ向かった。行ってみると予約してくれた友達の勘違いで8時22分と1時間遅いスタートでスルーでもない。後半戦はバテバテで必死の思いでホールアウトした。時間差攻撃恐るべしだ。

噂を売る男

薄幸の身の上から市井の情報屋となった藤岡屋由蔵を中心に、間宮林蔵等に繋がる日本地図の行方を追うサスペンスだ。暗殺された元首相の事件で徐々に明らかにされているように、事実を取り巻く情報や噂の価値は受け取る者の捉え方次第なのだと考えさせられる。メディアや大衆の通念に依存しない自己判断能力を持ちたいものだ。(213/1000)

夏の想い出

道中さまざまな障壁を乗り越えてようやく「広場の音楽会」を完遂することができた。17時過ぎのまだ西陽が照りつける時間帯は暑さにも閉口したが、微風も感じながら日没が近づく頃には夕焼けに囲まれていた。キッチンカーも相応の賑わいがあり、駅を往来したりホームで電車を待つ人々が耳を傾けてくれる光景がうれしかった。これでまたひとつ音楽の街への扉を開けたかもしれない。

名残の花

厳格な取締りで妖怪と恐れられた元南町奉行、鳥居耀蔵が27年間の幽閉を解かれて戻った江戸はすでに東京と改まって一変していた。その彼と16歳の能楽見習い豊太郎とが期せずして遭遇する六話が心温まる。時代に取り残された老境の人が守るべきものとは何なのか、今も繁栄一辺倒の当世に確かな問題提起を放ってくれる。ぜひ手にしてほしい一冊だ。(212/1000)

地鶏となるもブロイラーとなるなかれ

宮崎地鶏の炭火焼きを堪能したいと言ったら、倅が面白い店に連れて行ってくれた。地鶏はもちろんうまいのだが、注文から支払いまでなんでもアプリをダウンロードすれば自席で完結する。ちょっと気がひけるが堂々とレジを素通りしても食い逃げではない。何回も通うと主任、課長、部長と肩書きまでつけてもらえるシステムもある。過去の栄光に縛られる定年組は飼い慣らされた地鶏になれる。

テント千尋の神隠し

なんだかんだあったが、日曜日はどうにか路上ライブがやれそうだ。お天気が心配だったので最悪を想定してテントも発注した。発注したのはいいが品物が届いてみると、タープだけで骨組みがない。通りで安価なワケだった。細君とふたり落ち込んだのなんの。最後の最後にちゃんとドラマが待っていて、MCネタは尽きません。

真・慶安太平記

徳川秀忠の息子たち三人の帰趨を軸に、由井正雪の事件が絡んで謎解き時代小説として面白く読める。保科正之といえばお江の方に可愛がられながらも庶子故に他家へ養子に出された不遇の将軍の弟だが、次兄の忠長とともに魅力ある人物として描かれる。作者の冷静な人物の捉え方が謎解きに真実味を加えていると言えるだろう。(211/1000)

やさいでのむ

今が旬の長野県産のレタスで清酒を飲む。まさかのマリアージュだ。野菜嫌いの自分がまさかの野菜で酒を飲むことになったのは、この池田屋の新玉ねぎドレッシングのおかげだ。物は試しと買ったら美味いのなんの。出せばすぐに売り切れるというから、もう店頭でお目にかかることはないからなくなればお取り寄せしかないか。

闘鬼 斎藤一

幕末勤王の志士でいえば人斬り半次郎、桐野利秋だが、幕府側新撰組で半次郎に相当するのはこの斎藤一だろう。沖田総司と並ぶ剣客、朋友にして明治まで警察官として生き残った。そこまで知って彼が「るろうに剣心」で江口洋介が演じた斎藤一こと藤田五郎だったとわかる。まさか実在の人物だったとは驚きである。(210/1000)

家康、江戸を建てる

利根川の治水、計数貨幣としての慶長小判、上水道の敷設、石垣の構築、天守の建設と五つの角度から家康の江戸造りを読み解く。タモリも喜びそうな江戸分析だろう。来年の大河ドラマでまた駆り出されるそうだから、その前に家康を地政学的に分析してみるのもよい。(209/1000)

年金の仕組みがわかり送り梅雨

年金機構から届いた通知書の内容がよくわからないので電話してみた。6月11日に誕生日を迎えた場合、8月に受給する年金は特別支給一ヶ月分+満額対象一ヶ月分の合算額になるそうだ。したがって満額もらえるのは10月だということだから、私と年齢の近い読者の方はご参考にしてください。昨日の夏井いつき先生の句会ライブが今日だったら一句捻れたかもしれない。

決闘の辻

宮本武蔵、小野次郎右衛門、柳生宗矩、他二人の剣豪にまつわる藤沢周平の短編。老境に差し掛かった剣豪が老いとどう向き合うかは己れの今と対比できて面白い。迫真の決闘シーンは作者の筆力が十二分に発揮されていて、まるで映画を見ているかのようだ。さすがは藤沢周平だ。(208/1000)

結果にしか目を向けない国民

ウクライナの映像を見ると、安倍さんには気の毒だけど政治家やマスコミのステレオタイプな非難に違和感を禁じ得ない。民主主義への挑戦?言論は暴力に屈しない?たしかに尊い人命を奪う行為は許し難いけども、過激な保守思想や数の論理で民主主義や反対議論を封殺してきたのは誰だったのか。凶悪犯罪を糾弾するだけでなく、なぜ悲劇が起こったのか反省する必要がある。

アキラとあきら

今からざっと16年前に上梓された作品だから、すでにデット・イクィティ・スワップ(DES)は一般化していたか。最後の最後に顕らかにされるその手法も、銀行と経営者との関係性も今からすれば時代遅れだろう。独創性やデジタル化で世界から取り残されている我が国の企業にとって、一体なにが大切なのかを振り返る上では反省を込めて読みたい一冊だ。(207/1000)

キッチンカー上陸作戦

先週の月曜日に申請したキッチンカーの出店問題。漸く市の許可が下りて警察へ申請しに行くと、いまさら個人での露店申請は認められないというのが県警本部の見解だと却下された。警察の指導で別途申請したのに納得できないと反論すると、そもそも車両が乗り入れできない歩道部分でやるなら許可不要だから気をつけてやれと黙認の姿勢だ。報告を聞いた市の責任者も困惑し部内で協議するそうだが、誰もやらなかったイベントに挑戦するというのは意外に楽しいものだ。

吉宗の星

吉宗といえば暴れん坊将軍。白馬に颯爽と跨り浜辺を疾駆する姿や、浪人に身をやつして悪を懲らしめるシーンが浮かぶが、この物語では結構な非道を駆使して将軍の座を手に入れる。英雄像が壊れるなあと読み進むが、最後の最後はやはり期待通りの吉宗像が現れるからご安心。楽しんで読める活劇物か。(206/1000)

源氏の白旗

源義朝、常盤御前、源頼政、源義仲、静御前の鎌倉殿につながる5人の悲運の人を取り上げる。白旗は降伏ではなく源氏の旗印だから、どれも惨めさはなく、毅然とした最期であることに救われる。歴史小説を剣、謎、史、情の四分類にした中で「史」に入れられた作品だが、むしろ謎や情の方がふさわしいかもしれない。(205/1000)

1000回再生到達感謝

ブログの更新だけで充分だったのに、Facebookで「東海地区せんべろシリーズ」に参加して、たまたま投稿動画が何回も視聴されとうとう1000回を超えた。一方小欄でも「続きを読む」から遷移する画面に表示される記事「めぐり逢い」の閲覧回数が600回に達しようとしている。何がいいのかよくわからないがなんとなくうれしい。

殺しの四人

恩は他人に着せるものではなくて、自分で着るものだそうだ。他人から親切や施しを受けたらそれを返すことを旨とすべきである。そんなことがさらりと書いてある。池波正太郎ならではだし、彼にそう言われるとなるほどそうだなと思えるのが心憎い。藤枝梅安シリーズの初作であるだけに先入観なく愉しめる。(204/1000)

ライブライフ

キッチンカー問題で東奔西走してる中、当該キッチンカーの拠点店舗へ飲みに行った。なんとそこにはライブ演奏できるスペースやアンプまで確保されていた。キッチンカー問題に首を突っ込まなければ、ご近所に音楽活動ができる場があったなんて知る機会もなかったわけだ。自由に動ける環境と交際範囲の解放は隠居ライフに生きている実感を与えてくれる。

室町無頼

応仁の乱直前の室町時代中盤を舞台に、六尺棒の達人を目指す主人公と動乱の顛末が生き生きと描かれる。これまた500頁と大部だが、息をもつかせず完読させる筆力は只者じゃない。プロフィールを見たらあの「光秀の定理」を確率論を組み立てて著した作者でもあった。読んで愉しめる作品とはこういう作品なのだろう。(203/1000)

ザ・シルバー!

誕生日を迎えるのを待っていつもの床屋へ行った。免許証も持参したが改めることもなくハイハイとサービスカードをくれた。介護保険証、ゴルフプレー代割引と悲喜交々だが、カードを見て喜んでいると細君が「スーパーなら500円よ」と言い放った。そういえばこの頭なら500円で充分だった。