戦場のベーカリー 7月 11, 2026 翻訳ものは、原作は素晴らしくても、日本語との親和性がないためか、翻訳者が原文に束縛されすぎるのか、実に読みにくい。それでもウクライナの現状と、流浪と征服の被害者であり続けた民族の逞しい思想は読み取れた。日本が同じ立場になったとしたら、と思うと今からでも少しは学んでおくべき食の思想がここにある。(555/1000) 続きを読む
法華経 (上) 7月 05, 2026 宮沢賢治が信奉して著したという「国訳妙法蓮華経」は手に入らないので、岩波文庫版の「上」だけを覗いてみた。漢文の経典はさぞ読みにくかろうと思いきや、丁寧な口語訳が左辺に付されていて、意外にすらすらと読めたのが意外であった。機会があれば中、下も手にしてみてもいい。(554/1000) 続きを読む
天路の旅人 (上)(下) 7月 03, 2026 戦前から敗戦後まで約7年にわたって中国大陸から、モンゴル、チベット、ネパール、インドまで密偵として旅をした西川一三の物語だ。あまりにも過酷な、それでいて柔軟かつ変幻自在な適応力をもって難局を乗り切る人間ドラマは感動的だ。旅を愛する沢木耕太郎だから辿れた男の旅路だ。(553/1000) 続きを読む
深夜特急1 6月 26, 2026 沢木耕太郎の「深夜特急シリーズ」の第1巻だ。「旅する力」でその動機やおおよその行程は把握できていたつもりだったが、実際の香港、マカオの道中は実に面白く読める。26歳にしてこんな破茶滅茶な一人旅がよくできたものとだと、10歳年上の先輩作家に敬意を表したくなる。(552/1000) 続きを読む
あん 6月 22, 2026 ハンセン病についてテレビで改めて問題意識をもって手に取ったのだが、読み出してからそういえば映画化されたこの作品を観ていたことを思い出した。映画の細部は忘れていたが、小説として文字を辿ることで、差別の残酷さと生命の意味について思い至ることができたような気がする。(551/1000) 続きを読む
テロルの決算 6月 19, 2026 社会党委員長浅沼稲次郎と彼を刺殺した17歳の山口ニ矢(おとや)の両名を追ったドキュメントだ。それぞれの人生を丹念に辿ってくれているので、時代背景とともに、なぜこのような悲劇がもたらされたのかがよく理解できる。思想とは?信念とは?人が人として生きることの難しさを感じざるを得ない。(550/1000) 続きを読む