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白石城死守

全6編の作品集だが、全てが作者らしい慥かな洞察と温かい視座で描かれている。『菊屋敷』で語られた「子供は養育するのではない。自分が子供から養育されるのだ。それが子育ての根本だ。」との箴言には今更ながら目を開かされる。斎東与茂七。笠折半九郎。浜田治部介。夏目図書。矢押梶之助。黒川志保。全ての主人公に物語が寄り添っている。(532/1000)
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殺し屋の営業術

江戸川乱歩賞とは、また気づかない分野だった。時代小説主体の読書の旅にまたひとつ目的地が加わったようで楽しい。流石に評判を呼んだ小説だけに、最後の最後の大どんでん返しが愉快だ。現役時代、営業には一廉の自信を持っていた自分だからそこ、主人公の巧みだが反面ちょっと空虚な営業魂に共感を抱けるところがまた嬉しい。(531/1000)

カナリア恋唄

こんな素晴らしい作家に巡り会えて、それが読書の醍醐味だと大啖呵を切ったあとに、まさか本作がこの作家の遺作であったと知るとは。2015年62歳でこの世を去っていたという。つまりこれ以上彼女の作品は読めないのだ。人生とは須臾の間だと登場人物に奇しくも語らせた如くに、彼女は風のようにこの世から去ってしまったのだった。なんと残念なことだろう。(530/1000)

起き姫

もうさすがという他ない。「起き上がり小法師」のことを言うのだそうだが、さまざま苦難に遭遇しても立ち上がる「起き姫」に象徴されるストーリーは圧巻だ。人と人とを紡ぐ主人公の口入れ屋家業が、あたかも本と人とを繋ぐ縁に準えられる気がするのはあながち的外れでもなさそうだ。読書の醍醐味ここにありだ。(529/1000)

東京影同心

新年最初の読書は、このところ集中して手に取っている杉本章子の時代小説だ。今回は、江戸から明治に移る苛烈な時代を同心、影同心として役目を果たす男の痛快活劇だ。まさに正月に読むにふさわしい一冊かもしれない。さあ、今年は果たして何冊読めることだろう。(528/1000)

年間ブックレビュー

今年は100冊にはるか届かず58冊で終わった。考えてみれば、年間それくらいのペースがちょうどいいのかもしれない。来年も良書に巡り会えることを祈って。 東大算数 影の男 板上に咲く シャーロックホームズの凱旋 落としの左平次 姥玉みっつ 羅城門に啼く コード・ブッダ いつかの朔日 余寒の雪 おれの足音 (上)(下) 雷桜 あきない世傳 金と銀 源流篇 銀ニ貫 ふるさと銀河線 出世花 あい 永遠に在り 菜食主義者 雪夢往来 光炎の人 (上)(下) 路地裏のニ・二六 いのちの波止場 刀と傘 アイミタガイ ながい坂 (上)(下) 迷路  (上)(下) 宙をわたる教室 大石良雄・笛 秀吉と利休 竹沢先生という人 罪の声 龍と謙信 騙し絵の牙 盤上に散る アンパンマンの遺書 デルタの羊 盤上のアルファ 父子船 島津義弘伝 (上)(下) 涅槃 (上)(下) 藍を継ぐ海 ベルリンは晴れているか 一応の推定 スピノザの診察室 飛奴 夢裡庵先生捕物帳 対馬の海に沈む スピノザ エチカ抄 ニッポンチ どぜう屋助七 禁忌の子 がいなもん 松浦武四郎一代 剛心 東京新大橋雨中図 精姫様一条 春告鳥 自閉症の僕が跳びはねる理由 麻雀の誕生 教養としての麻雀

教養としての麻雀

ちょうど折よく続いて麻雀に関する本が出版されたのでさっそく買い求めた。私より1年先輩だが、東大を出てプロ雀士になった異色の経歴を持つ人だ。「健康麻雀」の主唱者でもあり、賭け麻雀から競技麻雀への脱皮を推進してきた人でもある。麻雀の歴史はもとより、ルールから戦術まで網羅されていて、麻雀愛好家には座右にしてふさわしい一冊だ。(527/1000)