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投稿

天路の旅人 (上)(下)

戦前から敗戦後まで約7年にわたって中国大陸から、モンゴル、チベット、ネパール、インドまで密偵として旅をした西川一三の物語だ。あまりにも過酷な、それでいて柔軟かつ変幻自在な適応力をもって難局を乗り切る人間ドラマは感動的だ。旅を愛する沢木耕太郎だから辿れた男の旅路だ。(553/1000)
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深夜特急1

沢木耕太郎の「深夜特急シリーズ」の第1巻だ。「旅する力」でその動機やおおよその行程は把握できていたつもりだったが、実際の香港、マカオの道中は実に面白く読める。26歳にしてこんな破茶滅茶な一人旅がよくできたものとだと、10歳年上の先輩作家に敬意を表したくなる。(552/1000)

あん

ハンセン病についてテレビで改めて問題意識をもって手に取ったのだが、読み出してからそういえば映画化されたこの作品を観ていたことを思い出した。映画の細部は忘れていたが、小説として文字を辿ることで、差別の残酷さと生命の意味について思い至ることができたような気がする。(551/1000)

テロルの決算

社会党委員長浅沼稲次郎と彼を刺殺した17歳の山口ニ矢(おとや)の両名を追ったドキュメントだ。それぞれの人生を丹念に辿ってくれているので、時代背景とともに、なぜこのような悲劇がもたらされたのかがよく理解できる。思想とは?信念とは?人が人として生きることの難しさを感じざるを得ない。(550/1000)

線量計と奥の細道

ドリアンさんの「くさい」奥の細道分析などと侮ってはいけない。自ら愛車「メグ号」(折り畳み自転車)を操り、時には友人たちの車にも助けられながら、東日本大震災で放射能汚染を見舞われた福島や宮城をはじめ、芭蕉の辿った奥の細道コースを線量計で計測しながら踏破する。忘れてはいけないあの悲劇、そして原発問題。アメリカとイランの交渉の行方も過ぎる。(549/1000)

深夜特急ノート 旅する力

思えば自分も若い頃、作者ほどではないにしろ国内の遠い地へ一人で旅をしたものだ。「旅には適齢期がある」「自分に不足しているものを知る機会になる」「旅は作るものだ」といった至言がスタンと腑に落ちるのもそういう経験が少しはあったからだろう。古稀を迎える歳になって今更ひとり旅などできないが、そういう気概だけは保ちたいと思わせてくれる一冊だ。(548/1000)

寂しさから290円儲ける方法

ドリアン助川というのは、明川哲也という本名にもかかわらず、書いた詩を「君の詩はくさい」と言われたためだそうだ。岩崎宏美の「許さない」、太田裕美の「道」、ブレッド&バターの「ペガサス」を作詞している。聴いてみると確かにちょっと「くさい」かもしれない。ラジオのパーソナリティの縁でか「人生相談の仕事」しかこなくなったという来歴を知って読むと面白い。(547/1000)