テロルの決算 6月 19, 2026 社会党委員長浅沼稲次郎と彼を刺殺した17歳の山口ニ矢(おとや)の両名を追ったドキュメントだ。それぞれの人生を丹念に辿ってくれているので、時代背景とともに、なぜこのような悲劇がもたらされたのかがよく理解できる。思想とは?信念とは?人が人として生きることの難しさを感じざるを得ない。(550/1000) 続きを読む
線量計と奥の細道 6月 14, 2026 ドリアンさんの「くさい」奥の細道分析などと侮ってはいけない。自ら愛車「メグ号」(折り畳み自転車)を操り、時には友人たちの車にも助けられながら、東日本大震災で放射能汚染を見舞われた福島や宮城をはじめ、芭蕉の辿った奥の細道コースを線量計で計測しながら踏破する。忘れてはいけないあの悲劇、そして原発問題。アメリカとイランの交渉の行方も過ぎる。(549/1000) 続きを読む
深夜特急ノート 旅する力 6月 08, 2026 思えば自分も若い頃、作者ほどではないにしろ国内の遠い地へ一人で旅をしたものだ。「旅には適齢期がある」「自分に不足しているものを知る機会になる」「旅は作るものだ」といった至言がスタンと腑に落ちるのもそういう経験が少しはあったからだろう。古稀を迎える歳になって今更ひとり旅などできないが、そういう気概だけは保ちたいと思わせてくれる一冊だ。(548/1000) 続きを読む
寂しさから290円儲ける方法 6月 05, 2026 ドリアン助川というのは、明川哲也という本名にもかかわらず、書いた詩を「君の詩はくさい」と言われたためだそうだ。岩崎宏美の「許さない」、太田裕美の「道」、ブレッド&バターの「ペガサス」を作詞している。聴いてみると確かにちょっと「くさい」かもしれない。ラジオのパーソナリティの縁でか「人生相談の仕事」しかこなくなったという来歴を知って読むと面白い。(547/1000) 続きを読む
春かずら 5月 18, 2026 読書評を目にして手にした一冊だったが、400ページを超えたあたりからやや冗長すぎる結末のくだりが面倒だった。随所に人生の教訓を読み取らせてくれる一方、作者ならではか女性の描き方に違和感があるのはやむを得ないかもしれない。なかなか良書に巡り会えないと感じるのは、重ねた年齢のせいか?(546/1000) 続きを読む
マテニ10号 (上)(下) 4月 27, 2026 北朝鮮を『地上の楽園』と偽装して、何人もの在日コリアンを不幸な国の犠牲にした物語を読んだ後だけだけに、戦前の日本統治下で虐げられた三代にわたる鉄道員一族の話も無知なるが故に強烈な読後感を残してくれた。作者は異なるが、こうした一連の作品が読み繋がれることが、今日尚繰り返される民族の争いや偏狭な対立に一石を投じてくれないものだろうか。(545/1000) 続きを読む