氷川清話 勝海舟の政治観と幕末維新の裏面史 8月 26, 2026 勝海舟自身による原書は図書館になく、高野澄版の解説書で我慢した。解説者による偏見のせいなのか、文章構成の寸断のせいなのか読後感は充実感に乏しい。ただ言えるのは、勝以降、この国に彼や西郷隆盛のような腹の座った大局観を持てる大人物は現れなかったということか。(561/1000) 続きを読む
日本人とユダヤ人 8月 15, 2026 すでに絶版となっているのか、図書館はもちろんネットでも手に入れられなかったかつての名著を、高校教師を定年退職したばかりの嫁の父親から譲り受けることができた。イスラエルとガザ、アラブ諸国との対立の構図がどうにも理解できなかったのが、本書でユダヤ教、キリスト教の相違を知ることで、多少なりとも理解が進んだ気がする。(560/1000) 続きを読む
親鸞 (上)(下) 8月 08, 2026 教行信証に触発されて五木寛之版の上下巻を手に取った。新聞に連載されていた頃には読む余裕がなかったせいか、今読んでみる方が相応しいと思えるのも奇妙だ。十悪五逆を犯したものは念仏を唱えても浄土へは行かないとする無量寿経から、他力によってそういう人々も救われると解する涅槃経へと法然の思想を止揚させる親鸞。その辺りの事情はこの上下巻には著されていない。(559/1000) 続きを読む
「教行信証」を読む 7月 31, 2026 親鸞が著した「教行信証」(岩波文庫版)を原文で読んでみようと挑んだが、仮名交じりの漢文ではとても読解不能で、本書となった。教、行、信、証、真仏土、化身土の六部で、師である法然の説いた念仏では救われない悪業の徒の救済について探究する。自力修行から自力念仏、他力念仏へと進むプロセス。その方法論を多少は楽しめた気がする。(558/1000) 続きを読む
欺す衆生 7月 26, 2026 豊田商事の詐欺事件を題材に、その残党がその後もいかにしてさまざまな詐欺にかかわり、裏社会の連中や政治家等と結びついてきたのかを告発する物語だ。結末は当然自滅だろうと思いきや、あらゆる難局を切り抜けて「人生そのものが詐欺のようなものだ」と読者に思わせる。人が人を欺し、組織が社員を、国が国民を欺す。昨今の政局を見るようだ。(557/1000) 続きを読む
重力ピエロ 7月 18, 2026 いったい物語はどこへ向かうのかと思いながら読み進む。短い章立てがくるくるとストーリーを展開させ飽きさせないが、逆に方向性が掴みきれないという新たな手法かもしれないと思い直す。遺伝子のメカニズムやガンジーを始めとする偉人の名言に囲まれながら、物語はラストシーンを迎える。まさに無重力感を味わえる作品かもしれない。(556/1000) 続きを読む