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鹽津城

なんとも不思議なSF小説である。全6編、理解できるものもあれば、意図がよくわからない内容のものもある。表題作に関して言えば、過去と未来が交錯して戸惑いはするものの、津波に襲われた我が国の悲しい体験を思うと、はるか500年先の未来に今世紀のそれがどう伝わるのか想像を迫られる。(542/1000)
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粒と棘

戦後生まれで自分より若い作家なのに、よくぞここまで戦後間もない時期の日本社会の闇と歪みを描き出してくれたものだと驚く。何の因果関係もない6編の小作かと読み進んでいくうちに、それらが全て繋がっていく構成に舌を巻く。今の日本はやっぱり平和なんだなと改めて思わざるを得ない。(541/1000)

警察医の戒律

かなり初期の作品なのだろうか。「テミスの不確かな法廷」に比べるとかなりストーリー展開に気負いというか無理さが窺えて、なかなか読み進むのに難渋する。法医学者という職業にスポットを当てた視点は斬新だが、今再び描き直すとしたら、もう少し違った作品になったかもしれない。(540/1000)

恋する検事はわきまえない

同じ作者の『テミスの不確かな法廷』に引きづられて手に取った作品だ。検察官物ではあるが、視点はまた異なり登場人物が多彩なのに、繋がりが見えて楽しめる。法治国家という表看板だけでは見失いがちな、現代社会の歪みや問題点をわかりやすく教えてくれる。(539/1000)

飲中八仙歌

杜甫が敬愛した 賀知章、崔宗之、蘇晋、李白、張旭、李適之、汝陽王李璡、焦遂の8人の酔狂者の物語だ。諫言して左遷された杜甫だが、中庸が無理な場合にいい加減な妥協をするよりも、「狂」や「狷」を選ぶのは次善の策とする孔子の教えを8人も杜甫も選んだ。それぞれが空前の酒豪であったり、酒を愛した人々であったことがうれしい。( 538/1000)

フランクリン自伝

テミスの不確かな法廷で言及されて、ようやく手にした一冊だった。アメリカ独立宣言の起草にも関わり、凧を上げて雷が電気であることを証明した300年以上前の偉人だ。勤勉、節制、慎重など13の徳を説き、それらを体現した人物で、今なおその金言は身に染みる。『貧しいリチャードの暦』は今日でも日本のひめくりカレンダーに繋がっている。若者必読の書であろう。(537/1000)

テミスの不確かな法廷

またまたドラマに触発されて、ネタバレを後悔する予想を抱きながらも手に取った。3話のうち最初の作は放送の通りかもしれないが、残りの2話はそうでもなさそうだ。発達障害を有しながらも、地裁の特任判事を務める主人公。独特の視点と周囲の人々との距離感が面白い。ドラマの最終話が楽しみだ。(536/1000)