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12月, 2023の投稿を表示しています

年間ブックレビュー

今年は110冊。来年には500冊に手が届くだろうか。 眠狂四郎異端状 連鎖 湖上の舞 ザ・ロイヤルファミリー 義元、遼たり にわか雨 忍び音 大奥騒乱 本意に非ず 夢幻 銀河鉄道の父 万波を翔る 球道恋々 地中の星 自由は死せず 天空の蜂 シュンスケ ブラック•ショーマンと名もなき町の殺人 天地明察 家電兄弟 裸の王様・流亡記 輝ける闇 剣樹抄 黎明に起つ 人間の土地 商う狼 闇の傀儡師 横濱王 無月の譜 青嵐の坂 定価のない本 沙羅沙羅越え 少しだけ、無理をして生きる 司馬遼太郎が考えたこと 1 蘇我の娘の古事記 余命二億円 真田三代 (上)(下) 木挽町のあだ討ち 幸村を討て 三体 編笠十兵衛 (上)(下) 市塵 (上)(下) 回天の門 (上)(下) 迷宮の月 十三の海鳴り 侠客 (上)(下) スパイ武士道 幕末遊撃隊 姫神 忍びの旗 伊藤一刀斎 (上)(下) まぼろしの城 孔子 風林火山 旅路 (上)(下) 雲霧仁左衛門 前編・後編 魚の棲む城 地図と拳 灯台からの響き 渋江抽斎 平蔵の母 流転の中将 獅子 いかだ満月 朝の霧 死ぬことと見つけたり (上)(下) クスノキの番人 吉原御免状 義貞の旗 宇宙人と出会う前に読む本 武蔵 天下普請 王家の風日 新時代に生きる「道徳哲学」 消えた女 クジラアタマの王様 田中家の三十二万石 満洲国演義 全九巻 奇貨居くべし 全五巻 河畔に標なく 金門島流離譚 真実の航跡 雪に咲く 剣神 神を斬る 多助の女 やまと錦 特攻のメカニズム 天下一のへりくつ者 さむらい劇場 毎日が日曜日 不死身の特攻兵 珍妃の井戸 長く高い壁 兵諌 未明の砦 天災ものがたり 楽園の犬 彼らは世界にはなればなれに立っている 夏の陰 芝居の面白さ、教えます 日本編 鉄の骨 幻夏 お順 (上)(下) 松本清張全集30 日本の黒い霧 宇喜多の捨て嫁 酔鯨 山内容堂の軌跡 二人のクラウゼヴィッツ 中尉 始皇帝の永遠

始皇帝の永遠

今年最後の本となった。呂不韋については『奇貨居くべし』でその生涯を辿っていたので、彼が王位につけた趙正(始皇帝)の天下統一までの道のりを通観できたのがよかった。焚書坑儒といった悪政もあったが、文字、度量衡、法治国家等の確立というガバナンスの契機をもたらした歴史的役割は見逃せない。(382/1000)

中尉

まだ50代の作家だが、インパール作戦後のビルマにおける軍医中尉と下士官軍曹との心のやり取りをよく描写している。戦場のメリークリスマスの小説版と言いたくなるほどで、テーマ曲が頭の中に流れるような感覚で読める。軍事政府化したミャンマーの国民は今どんな思いで暮らしているのだろう。(381/1000)

二人のクラウゼヴィッツ

ナポレオンとプロイセンとの戦役に従軍した戦略家クラウゼヴィッツが、『戦争論』全十巻をどうやって著述し、彼の死後その妻がそれをどう完成させたかが語られる。ナポレオンの失敗を通じて戦略の要諦も学べる一方、妻の誕生日や弁当を忘れる夫としての凡庸さが対比的でおもしろい。(380/1000)

酔鯨 山内容堂の軌跡

八回も忘年会をこなしながら読み進んだ5百頁だった。小説とは違って、容堂自身や関係者の残した書翰をもとに事実を積み重ねた労作ゆえか、読むのも難渋したが、じっくり容堂の人となりを辿ることができた。大政奉還を実現させた功績も、酔鯨の如く悠々と人生を泳いで慌てなかった生き方に照らすと、彼でなければ成し得なかったことがよくわかる。(379/1000)

宇喜多の捨て嫁

謀略の武将、宇喜多直家について今更語ることもあるまいと思いつつ読み進む。直家を某将に至らしめたのは主筋の浦上政宗だったというのが作者の視点だ。下剋上が当たり前の時代であったとはいえ、全編重苦しい挿話に塗り込められていて読むのが辛い。よくもこんな作品を書き上げたものだ。(378/1000)

松本清張全集30 日本の黒い霧

松本清張の記念碑的作品は2段組424頁に及ぶ大部で、詳細な事件分析には相当な読解持続力を要する。下山事件、白鳥事件、帝銀事件、松川事件、朝鮮戦争など12件の戦後GHQ占領時における謀略事例は、敗戦占領というものがいかに同胞を虐げるものかをまざまざと見せつけてくれる。為政者は今こそ座右にしてほしい。(377/1000)