対馬の海に沈む 11月 03, 2025 巨大組織農協の末端JA対馬を舞台に繰り広げられた職員による不正を追い求めたドラマだ。欧米人は自己の基準を軸とする「罪の文化」に対し、日本人は周囲の目をひたすら気にして同調し、悪事にも加担する「恥の文化」だと喝破したベネディクトの『菊と刀』の一節を引用する。まさにこの国の組織は国も民間も、国民共々自己弁護と自己主張の塊になっている。(515/1000) 共有 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ ラベル 読書三昧 共有 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ コメント
カナリア恋唄 1月 08, 2026 こんな素晴らしい作家に巡り会えて、それが読書の醍醐味だと大啖呵を切ったあとに、まさか本作がこの作家の遺作であったと知るとは。2015年62歳でこの世を去っていたという。つまりこれ以上彼女の作品は読めないのだ。人生とは須臾の間だと登場人物に奇しくも語らせた如くに、彼女は風のようにこの世から去ってしまったのだった。なんと残念なことだろう。(530/1000) 続きを読む
東京新大橋雨中図 12月 10, 2025 小林清親という明治初期に生きた画家の半生を描く。作者の巧みな描写力は、まるで絵画の如しだ。江戸から続いて明治に馴染めない元御家人たちや市井の人びとの気持ちを丹念に辿る。さまざまな不幸や不運に見舞われながらも懸命に生きる女たちを、まるで眼前に見えるかのように鮮やかに描き出すのだからたまらない一冊だ。(522/1000) 続きを読む
粒と棘 3月 30, 2026 戦後生まれで自分より若い作家なのに、よくぞここまで戦後間もない時期の日本社会の闇と歪みを描き出してくれたものだと驚く。何の因果関係もない6編の小作かと読み進んでいくうちに、それらが全て繋がっていく構成に舌を巻く。今の日本はやっぱり平和なんだなと改めて思わざるを得ない。(541/1000) 続きを読む
コメント