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9月, 2026の投稿を表示しています

赤穂浪士

2段組800ページに及ぶ大部だったが、一気に読破できたのは、あまりにも人口に膾炙した物語だというだけでなく、作者らしい視点の鮮やかさだろう。元禄時代に頽廃しつつある武士道に、一方は義挙を通して反撃を鳴らし、市井や浪々の境涯に生きる者には寧ろ虚しさをもたらす。改めて現代の視点でも跡を辿る価値のある史実に違いない。(564/1000)

ベトナム戦記

NHKの放送で開高健のベトナム体験が紹介されたのを受けて、「輝ける闇」とこの本を借り受けた。前者を3分の2ほど読んだところで、すでに読んでいたことに気づいてまた細君に笑われた。後者のこの本は毎日出版文化賞をとった前者に比べて、ルポルタージュとしての迫真さは強烈だ。戦争の無意味さを改めて知ることのできる作品だ。(563/1000)

菊と刀

菊と刀というからには、菊は天皇を、刀は戦前日本人の武士の魂を象徴するタイトルに依拠する内容かと思いきやそうではなかった。菊に輪をはめ自由な生長を矯める栽培方法を日本人の「恥、義理、義務」に擬える。刀は「身から出た錆」という諺通りに、日本人が「自ら責任を取る」という信念で敗戦を受け止めることを喩える。日本人に特有の国民性をよく理解できる名作であった。(562/1000)