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文字渦

文字の渦ではなく禍ではないかと思いたくなるほど難解を通り越して意味不明な章が多い短編集だ。「誤字」の章では文章にルビがふってあるかと思いきやルビの文は文章と関係がない。「天書」では「門」を使う漢字でビット演算して謎解きをさせる。「金字」においては南無阿弥陀仏を極楽往生のパスワードにしたアミダドライブなる転生システムを説明する旅行会社が出てくる。とにかく疲れる一冊だ。(115冊目)



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カナリア恋唄

こんな素晴らしい作家に巡り会えて、それが読書の醍醐味だと大啖呵を切ったあとに、まさか本作がこの作家の遺作であったと知るとは。2015年62歳でこの世を去っていたという。つまりこれ以上彼女の作品は読めないのだ。人生とは須臾の間だと登場人物に奇しくも語らせた如くに、彼女は風のようにこの世から去ってしまったのだった。なんと残念なことだろう。(530/1000)

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粒と棘

戦後生まれで自分より若い作家なのに、よくぞここまで戦後間もない時期の日本社会の闇と歪みを描き出してくれたものだと驚く。何の因果関係もない6編の小作かと読み進んでいくうちに、それらが全て繋がっていく構成に舌を巻く。今の日本はやっぱり平和なんだなと改めて思わざるを得ない。(541/1000)