夫婦珈琲物語 5月 18, 2021 昼食が夫婦二人分だけでいい時は細君を誘って外食だ。仕事をやめ夫婦で過ごす時間が日常となれば家事負担の軽減からも夫として当然の責務だろう。外食を終えホッとして帰宅しコーヒーを淹れていると、なにやら殺気を感じた。いっしょにコーヒー飲むかいと聞いてくれると優しいわよねと細君。あーそうだった、用意された彼女のカップに豆を入れ「心を込めて淹れさせていただきます」と答えたのであった。 共有 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ 共有 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ コメント
カナリア恋唄 1月 08, 2026 こんな素晴らしい作家に巡り会えて、それが読書の醍醐味だと大啖呵を切ったあとに、まさか本作がこの作家の遺作であったと知るとは。2015年62歳でこの世を去っていたという。つまりこれ以上彼女の作品は読めないのだ。人生とは須臾の間だと登場人物に奇しくも語らせた如くに、彼女は風のようにこの世から去ってしまったのだった。なんと残念なことだろう。(530/1000) 続きを読む
東京新大橋雨中図 12月 10, 2025 小林清親という明治初期に生きた画家の半生を描く。作者の巧みな描写力は、まるで絵画の如しだ。江戸から続いて明治に馴染めない元御家人たちや市井の人びとの気持ちを丹念に辿る。さまざまな不幸や不運に見舞われながらも懸命に生きる女たちを、まるで眼前に見えるかのように鮮やかに描き出すのだからたまらない一冊だ。(522/1000) 続きを読む
粒と棘 3月 30, 2026 戦後生まれで自分より若い作家なのに、よくぞここまで戦後間もない時期の日本社会の闇と歪みを描き出してくれたものだと驚く。何の因果関係もない6編の小作かと読み進んでいくうちに、それらが全て繋がっていく構成に舌を巻く。今の日本はやっぱり平和なんだなと改めて思わざるを得ない。(541/1000) 続きを読む
コメント