スキップしてメイン コンテンツに移動

前略、ごいんきょ様。

前略、ご隠居さま。ブログ開設1周年おめでとうございます。振り返ってみれば1年前会社による禁煙という私権の制限に抗って退職し、西雀荘をオープン。コロナ禍に遭遇したものの、無償で開業したことが幸いし細々だが利用者は絶えない。あれほど嫌だった組織にも、地域への恩返しと自分が手を染め苦しめた出向者への罪滅ぼしのため一年間の期間限定で回帰し塗炭の苦しみを舐めた。その間、読者諸氏の愛読と温かいコメントがなければ継続も叶わなかったであろう。この場を借りて深謝申し上げる。余生の過ごし方はひと様々である。正解はない。絶筆となるまで続けられるかどうかは別にして、皆様に共感を届け反面教師の役割を果たせれば無上の喜びである。



コメント

このブログの人気の投稿

カナリア恋唄

こんな素晴らしい作家に巡り会えて、それが読書の醍醐味だと大啖呵を切ったあとに、まさか本作がこの作家の遺作であったと知るとは。2015年62歳でこの世を去っていたという。つまりこれ以上彼女の作品は読めないのだ。人生とは須臾の間だと登場人物に奇しくも語らせた如くに、彼女は風のようにこの世から去ってしまったのだった。なんと残念なことだろう。(530/1000)

東京新大橋雨中図

小林清親という明治初期に生きた画家の半生を描く。作者の巧みな描写力は、まるで絵画の如しだ。江戸から続いて明治に馴染めない元御家人たちや市井の人びとの気持ちを丹念に辿る。さまざまな不幸や不運に見舞われながらも懸命に生きる女たちを、まるで眼前に見えるかのように鮮やかに描き出すのだからたまらない一冊だ。(522/1000)

粒と棘

戦後生まれで自分より若い作家なのに、よくぞここまで戦後間もない時期の日本社会の闇と歪みを描き出してくれたものだと驚く。何の因果関係もない6編の小作かと読み進んでいくうちに、それらが全て繋がっていく構成に舌を巻く。今の日本はやっぱり平和なんだなと改めて思わざるを得ない。(541/1000)