推論のはしご 5月 31, 2020 土曜日朝8時半に現場に到着。始めてみると、ついこの間まで手が入っていた庭とはいえ、あちこち密状態だ。下から上へ、上に厳しく下にやさしく、一本一本丁寧に剪定を進めていく。初体験で失敗したので、今回は1時間に1回ゴミ袋に回収。春紅葉の枝振りがあるじを失った邸宅の寂寥を募らせるが、いたづらに浸り過ぎては枝を払うのを逡巡する。迷ったら切れの基本に則り、低く庭を覆っていた太い枝を切断した。途端一陣の春風が庭を吹き抜け樹々をそよがせた。推論のはしごから降りることに気づかせてくれるのはこういうひと時かもしれない。 共有 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ 共有 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ コメント
カナリア恋唄 1月 08, 2026 こんな素晴らしい作家に巡り会えて、それが読書の醍醐味だと大啖呵を切ったあとに、まさか本作がこの作家の遺作であったと知るとは。2015年62歳でこの世を去っていたという。つまりこれ以上彼女の作品は読めないのだ。人生とは須臾の間だと登場人物に奇しくも語らせた如くに、彼女は風のようにこの世から去ってしまったのだった。なんと残念なことだろう。(530/1000) 続きを読む
東京新大橋雨中図 12月 10, 2025 小林清親という明治初期に生きた画家の半生を描く。作者の巧みな描写力は、まるで絵画の如しだ。江戸から続いて明治に馴染めない元御家人たちや市井の人びとの気持ちを丹念に辿る。さまざまな不幸や不運に見舞われながらも懸命に生きる女たちを、まるで眼前に見えるかのように鮮やかに描き出すのだからたまらない一冊だ。(522/1000) 続きを読む
粒と棘 3月 30, 2026 戦後生まれで自分より若い作家なのに、よくぞここまで戦後間もない時期の日本社会の闇と歪みを描き出してくれたものだと驚く。何の因果関係もない6編の小作かと読み進んでいくうちに、それらが全て繋がっていく構成に舌を巻く。今の日本はやっぱり平和なんだなと改めて思わざるを得ない。(541/1000) 続きを読む
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