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月のうらがわ

まるで山本周五郎か藤沢周平のような筆致で、江戸の街に暮らす庶民の哀愁や小さな幸せを描く。「月のうらがわ」とは何なのか、最後まで読者に疑問を抱かせながら展開する構成が憎い。運命という縦糸にどう横糸を綾して、人生を織り上げるのか。作者の問いかけに、己の読書生活の成果を省みる。(400/1000)



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カナリア恋唄

こんな素晴らしい作家に巡り会えて、それが読書の醍醐味だと大啖呵を切ったあとに、まさか本作がこの作家の遺作であったと知るとは。2015年62歳でこの世を去っていたという。つまりこれ以上彼女の作品は読めないのだ。人生とは須臾の間だと登場人物に奇しくも語らせた如くに、彼女は風のようにこの世から去ってしまったのだった。なんと残念なことだろう。(530/1000)

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