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鯖断ち

鬼役シリーズ以来だが、この作者が登場させる主人公には独特のペーソスというかおかしみがある。正義は貫くが、出世や名誉には関心がなく人間愛や義侠心には厚い。損得なく人の気持ちに寄り添う気持ちを失った現代社会にも光明を見る思いだ。ついこないだ〆鯖に舌鼓を打った小生にも贈ってくれた店主の気持ちが沁みてくる。(264/1000)

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迷路 (上)(下)

戦前の昭和11年に「黒い行列」として刊行され、戦時色の推移により中断、戦後の昭和31年に「迷路」として完成した1,200頁に及ぶ大作だ。岩波文庫らしく書き出しは難読だが、読み進むにつれファシズムに向かう時代の狂気や青年の心の彷徨、権力者たちのエゴイズムが大団円として描かれる。すごい作家がいたものだ。(495/1000)

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