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その男 (ニ)(三)

杉虎之介という主人公の名前は吉田松陰の幼名を充てたもののようだ。幕末から昭和まで98年の生涯を送った主人公が、屈指の剣豪としてだけではなく西南戦争で西郷や桐野の最期までを見届けた人であったことが、複数のモデルを重ねたにしろ物語に重厚さを加えている。江戸期までの日本人とは黒白だけで判断せず、理屈よりも情で物事を考えたことを尊びたいものだ。


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亥子ころころ

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