母 6月 28, 2022 区切りの200冊目は中学時代の担任教師の娘の作品となった。娘よりはほっそりとした美人だったが、教師としての威厳と規律に頑なな先生だった。自分にしか関心がなく被害者意識でしか家族に接することのできない我が母と、作者が母として憎んだ先生とが皮肉にも重なる。価値観や人生はそれぞれ異なっていいのに、偏狭な視野を排除できない無力は悲しい。(200/1000) 共有 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ ラベル 読書三昧 共有 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ コメント
亥子ころころ 10月 15, 2024 久しぶりの西條奈加だったが、『まるまるの毬』に勝るとも劣らない出色の出来栄えの作品だ。しかも毬(いが)を継いでの亥子なのだから興趣を掻き立てられる他ない。毬も菓子職人、本作も菓子職人にまつわる親子、師弟、友人の人情と憐憫を扱い、胸を突くシーンは縦横無尽だ。名作に出会える喜びに浸れるのはなんとも贅沢だ。(458/1000) 続きを読む
三河雑兵心得⑦ 伊賀越仁義 6月 18, 2024 穴山梅雪は、家康と間違われて殺されたという通説を取らず、光秀に従おうと京に向かったところを野伏に弑逆された説を立てる。本多兵介を家康に見立て平八郎等ととともに、家康と別ルートで伊賀越えを果たす植田茂兵衛。架空の人物としても、充分伊賀越えの醍醐味が味わえる。(432/1000) 続きを読む
運転者 未来を変える過去からの使者 2月 22, 2024 たまたま倅が職場で必要な代物をなくしたみたいだと細君から聞いた。始末書を書くのもいい薬だと思って納得したが、結局同僚が拾ってくれていたそうでことなきを得たのは、運が悪いのではなく貯めていた運を使わせてもらったということになる。そういう話がこの物語を構成していて、読むほどにじわーっと心が温まる名作だ。(399/1000) 続きを読む
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