ご隠居の利き酒巡り〜作 8月 29, 2020 三重県鈴鹿にある酒蔵清水清三郎商店の直販店太田商店までわざわざ行って買い求めた「作」シリーズの逸品。布製の巾着袋に納められ東京、鳥羽、ここ太田商店でしか手に入らない。FLINTとはヤマトタケルの命を救った火打石の名を冠したそうだが、精米歩合60%の馥郁たる日本酒の味わいはこの猛暑で疲れた体力を回復させる命の酒だ。木と木を摺り合わせていた先人にとって、石英の一種フリントに鋼鉄片を打ち合わせる発火方法の発見はスマホの登場みたいなものだっただろう。 共有 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ ラベル ご隠居の利き酒巡り 共有 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ コメント
亥子ころころ 10月 15, 2024 久しぶりの西條奈加だったが、『まるまるの毬』に勝るとも劣らない出色の出来栄えの作品だ。しかも毬(いが)を継いでの亥子なのだから興趣を掻き立てられる他ない。毬も菓子職人、本作も菓子職人にまつわる親子、師弟、友人の人情と憐憫を扱い、胸を突くシーンは縦横無尽だ。名作に出会える喜びに浸れるのはなんとも贅沢だ。(458/1000) 続きを読む
三河雑兵心得⑦ 伊賀越仁義 6月 18, 2024 穴山梅雪は、家康と間違われて殺されたという通説を取らず、光秀に従おうと京に向かったところを野伏に弑逆された説を立てる。本多兵介を家康に見立て平八郎等ととともに、家康と別ルートで伊賀越えを果たす植田茂兵衛。架空の人物としても、充分伊賀越えの醍醐味が味わえる。(432/1000) 続きを読む
運転者 未来を変える過去からの使者 2月 22, 2024 たまたま倅が職場で必要な代物をなくしたみたいだと細君から聞いた。始末書を書くのもいい薬だと思って納得したが、結局同僚が拾ってくれていたそうでことなきを得たのは、運が悪いのではなく貯めていた運を使わせてもらったということになる。そういう話がこの物語を構成していて、読むほどにじわーっと心が温まる名作だ。(399/1000) 続きを読む
コメント