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森を見て木を見ないのか?

みんなが我慢しているのに、のこのこ県外までドライブするとは怪しからんという向きもあろうが木々を見て考えた。広葉樹や常緑樹の代わりに生育の早い針葉樹をせっせと植えて花粉症を招いたのは人間の都合だ。動物は空腹以上に他の動物を殺戮しないし、植物は食物連鎖の中で他の生物と共存している。県外へ行かなければコロナは感染拡大しないと考えるのも一種の人間の驕りだろう。誰がどうしてコロナに罹るのかは神のみぞ知るだ。北アルプス大橋での絶景を前にして自然の摂理にひれ伏したくなった。

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ふるさと銀河線

全9篇の短編集だが、その全てに鉄道が絡まるのがうれしい。寺山修司の詩が引かれているが、全編を通じてその詩魂が宿っている気がする。 幸福が遠すぎたら さよならだけが 人生ならば また来る春は何だろう はるかなはるかな地の果てに 咲いている野の百合何だろう さよならだけが 人生ならば めぐりあう日は何だろう やさしいやさしい夕焼けと ふたりの愛は何だろう さよならだけが 人生ならば 建てたわが家は何だろう さみしいさみしい平原に ともす灯りは何だろう さよならだけが 人生ならば 人生なんか いりません (484/1000)

迷路 (上)(下)

戦前の昭和11年に「黒い行列」として刊行され、戦時色の推移により中断、戦後の昭和31年に「迷路」として完成した1,200頁に及ぶ大作だ。岩波文庫らしく書き出しは難読だが、読み進むにつれファシズムに向かう時代の狂気や青年の心の彷徨、権力者たちのエゴイズムが大団円として描かれる。すごい作家がいたものだ。(495/1000)

罪の声

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