落としの左平次 1月 31, 2025 本のタイトル通りまさに、左平次に落とされてしまった。後半はもう泣かずには読み進められないほど左平次と佐々木清四郎の心の交流に揺り動かされる。ただの捕物帳と侮るなかれ。亡友の倅を鍛える美談と結ぶなかれ。人生とは、人間とは、人情とは何かを問う名作と言ってよい。ぜひ手に取られたし。(474/1000) 続きを読む
シャーロックホームズの凱旋 1月 29, 2025 前回読んだ『夜は短し歩けよ乙女』もそうだっが、いくら京大出身だからといって、京都の街に拘り過ぎるだろう。ロンドンという場所でなければ成立しないはずのシャーロックホームズの探偵譚が、何故京都の街に置き換えなければならないのか理解に苦しむ。最終的に何が表現したかったのかも不明だし、なぜ順番待ちになる程図書館で人気なのかもわからない。 (473/1000) 続きを読む
板上に咲く 1月 17, 2025 書評でも人伝にも名作の評判の高いことは知っていたし、何よりも取り上げられた主人公が棟方志功となれば読まないわけにはいかない。原田ハマの泣かせるストーリーテイリングには今回も白旗をあげるしかないが、志功の妻チヨから見た夫の生き様という点では、志功そのものを描くよりも説得力があったかもしれない。(472/1000) 続きを読む
影の男 1月 11, 2025 知らぬが半兵衛御手控帖シリーズの2作目だ。「思案橋」もよかったが、本作も読み切り作品で、電車にでも揺られた旅の途中に読んでも充分楽しめる味わいがある。世の中には知らない方がよいことがいっぱいある、という作品の哲学は60年以上生きてきた我々の年代になら頷けることだ。為政者の一挙一動に目くじらを立てるより見えない苦労に思いを馳せたいものだ。(471/1000) 続きを読む
東大算数 1月 01, 2025 現役東大生として本書を出したり、小倉優子の早大合格をサポートしたりした著者だそうだ。数学的思考について何かヒントが得られるかなと買い求めたが、結局小学生の算数を基本に、どう応用していけばいいのかに紙面が割かれる。東大合格のためというよりも、実社会でどう数学的思考を働かすかがよく理解できる。(470/1000) 続きを読む