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無私の日本人

映画「殿、利息でござる」は何度観ても涙を誘うが、原作者はこの人であったかと驚く。驚くのは穀田屋十三郎ほか9名の無名の人ばかりではなく、本書が取り上げた中根東里、大田垣蓮月についてもだ。作者が言うのに倣えば、新首相の言う新しい資本主義や成長と分配などもあやかしにしか思えない。本当に大切なことは、無私にして善良な市井に生きる人々の営みだと思える。(88冊目)



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カナリア恋唄

こんな素晴らしい作家に巡り会えて、それが読書の醍醐味だと大啖呵を切ったあとに、まさか本作がこの作家の遺作であったと知るとは。2015年62歳でこの世を去っていたという。つまりこれ以上彼女の作品は読めないのだ。人生とは須臾の間だと登場人物に奇しくも語らせた如くに、彼女は風のようにこの世から去ってしまったのだった。なんと残念なことだろう。(530/1000)

粒と棘

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