スキップしてメイン コンテンツに移動

遠くに矢を放つ

大動脈瘤の病に倒れ俳句教室や主宰していた会誌も閉じられた檜紀代先生を慕う仲間から「菜の花いろは歌留多」をいただきました。俳句は人生だと思える至言ばかりです。
いつも身近に句帳と鉛筆
ろぼうの石にも春夏秋冬
はいくの基本は客観写生
にちじょう茶飯事すべてが素材
ほれた俳句に理屈はいらぬ
へたも上手も勉強次第
とおくはなれた句友に手紙
ちからあまって余すな字かず
リズム覚えよ音読百回
ぬいでしまおう心の鎧
るい句できても盗作するな
をひれはぶいてズバリと一句
わかりやすくて胸打つ俳句
からだで覚えよ頭で書くな
よその俳句も大事な肥料(こやし)
たよりになるのは己の努力
れいぎ正しくいたわりあって
それから先は自分で悟れ
つねに閉ざすなこころの窓を
ねごと言っても泣きごと言うな
なまえ売るよりおのれを磨け
らくしてさぼってよい句はできぬ
むしんに無欲に真剣に
うらみ残すなよい句を残せ
ゐどの蛙もなく音(ね)は本音
のびのび自分の言葉で詠う
おくぎは初心しょしんは奥義
くらしのうるおい庶民の俳句
やすまずくじけず欠かさず投句
まけずぎらいもほどほどに
けんきょに素直に驕らずに
ふっと浮かんだ感じを掴む
こうをあせるな俳句はマラソン
えがお並べて仲よく勉強
てまえ勝手は他人の迷惑
あまえすぎるな厳しく学べ
さんにんよればまず一と句会
きごも切字も重ねぬように
ゆるがぬ基本が生み出す個性
めぐりあったも俳句のご縁
みじかい俳句に無限の天地
しぜんのいのちに触れ合うこころ
ゑを描くつもりでよく見てかこう
ひゃくねんたっても消えない一句
もじは正しく字引をひいて
せんじゃ泣かせは類想類句
すすんで仲間のお世話をしよう




コメント

このブログの人気の投稿

亥子ころころ

久しぶりの西條奈加だったが、『まるまるの毬』に勝るとも劣らない出色の出来栄えの作品だ。しかも毬(いが)を継いでの亥子なのだから興趣を掻き立てられる他ない。毬も菓子職人、本作も菓子職人にまつわる親子、師弟、友人の人情と憐憫を扱い、胸を突くシーンは縦横無尽だ。名作に出会える喜びに浸れるのはなんとも贅沢だ。(458/1000)

三河雑兵心得⑦ 伊賀越仁義

穴山梅雪は、家康と間違われて殺されたという通説を取らず、光秀に従おうと京に向かったところを野伏に弑逆された説を立てる。本多兵介を家康に見立て平八郎等ととともに、家康と別ルートで伊賀越えを果たす植田茂兵衛。架空の人物としても、充分伊賀越えの醍醐味が味わえる。(432/1000)

運転者 未来を変える過去からの使者

たまたま倅が職場で必要な代物をなくしたみたいだと細君から聞いた。始末書を書くのもいい薬だと思って納得したが、結局同僚が拾ってくれていたそうでことなきを得たのは、運が悪いのではなく貯めていた運を使わせてもらったということになる。そういう話がこの物語を構成していて、読むほどにじわーっと心が温まる名作だ。(399/1000)