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水戸光圀

東野英治郎の水戸黄門を毎日見て、西山荘の名をもじらせていただいた管理人として山岡荘八のこの書は必読であった。「ものの哀れをよくかみわけてつらぬくがまんを節度という」「政権をあずかる者は、今の自分に与えられた権力は仮りのものとよく悟り」等々、今の世の驕れる権力者に読ませたい歴史小説の先駆。西雀荘に隠居する吾も爪の垢を煎じて飲みたいものだ。

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カナリア恋唄

こんな素晴らしい作家に巡り会えて、それが読書の醍醐味だと大啖呵を切ったあとに、まさか本作がこの作家の遺作であったと知るとは。2015年62歳でこの世を去っていたという。つまりこれ以上彼女の作品は読めないのだ。人生とは須臾の間だと登場人物に奇しくも語らせた如くに、彼女は風のようにこの世から去ってしまったのだった。なんと残念なことだろう。(530/1000)

東京新大橋雨中図

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粒と棘

戦後生まれで自分より若い作家なのに、よくぞここまで戦後間もない時期の日本社会の闇と歪みを描き出してくれたものだと驚く。何の因果関係もない6編の小作かと読み進んでいくうちに、それらが全て繋がっていく構成に舌を巻く。今の日本はやっぱり平和なんだなと改めて思わざるを得ない。(541/1000)