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古寺巡礼

目覚めなければ初夢に現れたその女性と結ばれていただろう。そうなったら二度と現世の妻と巡り逢えないという悔悟が抑制してくれなければ、薬師寺の聖観音に連れて行かれてしまったかもしれない。法隆寺中宮寺観音の微笑も寝る前には見ない方がいい。全編を通じて天平文化に通底する日本文化の奥深さを知ることのできる名著である。奈良を旅する際には座右としたい。




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カナリア恋唄

こんな素晴らしい作家に巡り会えて、それが読書の醍醐味だと大啖呵を切ったあとに、まさか本作がこの作家の遺作であったと知るとは。2015年62歳でこの世を去っていたという。つまりこれ以上彼女の作品は読めないのだ。人生とは須臾の間だと登場人物に奇しくも語らせた如くに、彼女は風のようにこの世から去ってしまったのだった。なんと残念なことだろう。(530/1000)

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