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12月, 2025の投稿を表示しています

年間ブックレビュー

今年は100冊にはるか届かず58冊で終わった。考えてみれば、年間それくらいのペースがちょうどいいのかもしれない。来年も良書に巡り会えることを祈って。 東大算数 影の男 板上に咲く シャーロックホームズの凱旋 落としの左平次 姥玉みっつ 羅城門に啼く コード・ブッダ いつかの朔日 余寒の雪 おれの足音 (上)(下) 雷桜 あきない世傳 金と銀 源流篇 銀ニ貫 ふるさと銀河線 出世花 あい 永遠に在り 菜食主義者 雪夢往来 光炎の人 (上)(下) 路地裏のニ・二六 いのちの波止場 刀と傘 アイミタガイ ながい坂 (上)(下) 迷路  (上)(下) 宙をわたる教室 大石良雄・笛 秀吉と利休 竹沢先生という人 罪の声 龍と謙信 騙し絵の牙 盤上に散る アンパンマンの遺書 デルタの羊 盤上のアルファ 父子船 島津義弘伝 (上)(下) 涅槃 (上)(下) 藍を継ぐ海 ベルリンは晴れているか 一応の推定 スピノザの診察室 飛奴 夢裡庵先生捕物帳 対馬の海に沈む スピノザ エチカ抄 ニッポンチ どぜう屋助七 禁忌の子 がいなもん 松浦武四郎一代 剛心 東京新大橋雨中図 精姫様一条 春告鳥 自閉症の僕が跳びはねる理由 麻雀の誕生 教養としての麻雀

教養としての麻雀

ちょうど折よく続いて麻雀に関する本が出版されたのでさっそく買い求めた。私より1年先輩だが、東大を出てプロ雀士になった異色の経歴を持つ人だ。「健康麻雀」の主唱者でもあり、賭け麻雀から競技麻雀への脱皮を推進してきた人でもある。麻雀の歴史はもとより、ルールから戦術まで網羅されていて、麻雀愛好家には座右にしてふさわしい一冊だ。(527/1000)

麻雀の誕生

麻雀を子どもたちに教えている立場上、本書は避けて通れない書物だろう。中は頬紅、発は眉墨、白は白粉に起源を持つ。それらは古代中国の宮廷の女官たちのものであり、索子の一が雀であるのも、彼女たちが籠の鳥であったことに由来する等々。これを俗説だと退ける人もいるが、真偽はともかく麻雀が18世紀中国式ドミノゲーム等から始まり、紆余曲折を経て現代の姿に至ったことは意味深い。(526/1000)

自閉症の僕が跳びはねる理由

NHKの特集番組でみて読みたくなった小編だ。今年も来週サンタクロースになって、障害を持った幼児施設を慰問する。自閉症の子ばかりではないが、ギターを掻き鳴らす私やサンタの扮装に逃げ出したり泣き出す子どもたちがいる。そんなシーンに出会うたび心を痛めるのだが、今年は彼等の心にもう少し寄り添えるような気がする。(525/1000)

春告鳥

年末にこんなしみじみとした連作を読むと心が洗われる。一年12ヶ月の暦に女性の運勢を重ね合わせて、武家から町人までさまざまな女性の運命を紡ぐ。前世の業を背負って現世の生き方に慄くかと言えばそうではない。むしろ運命に逆らってまでも、現世を精一杯生きることの大切さを教えてくれる。(524/1000)

精姫様一条

女性の視点からの作品は苦手だなと思いながらも、作者の筆力に惹かれて手に取って正解だった。確かに主人公は女性だが、彼女を取り巻く男たちの武士らしい矜持や気骨は読む者を魅了する。時代小説の世界も女性が旗頭となりつつあるようだ。(523/1000)

東京新大橋雨中図

小林清親という明治初期に生きた画家の半生を描く。作者の巧みな描写力は、まるで絵画の如しだ。江戸から続いて明治に馴染めない元御家人たちや市井の人びとの気持ちを丹念に辿る。さまざまな不幸や不運に見舞われながらも懸命に生きる女たちを、まるで眼前に見えるかのように鮮やかに描き出すのだからたまらない一冊だ。(522/1000)

剛心

建造物には、その重さの中心点を表す重心ともうひとつ、強度を表す重要な中心点「剛心」(center of rigidity)がある。その双方が歪みなく存在してこそ、強く美しく安定した建物になる。というのが、国会議事堂建設の原案と基本理念に関わった妻木頼黄(よりなか)だった。美しい江戸の風景と開化後の西欧化を融合させようとした妻木こそ「剛心」の人だったかもしれない。(521/1000)