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母性

神父やリルケの詩が挿入されるからか、これは一種の哲学書と言えるかもしれない。母性とは本能だと考える男たちには理解しがたいが、女性が持つ独特の存在論的認識を精緻に物語構成している。母と娘、姑と嫁、どこの家庭にもあるであろう精神的ジレンマを書簡と回想で語らせるこの作者の手法はやはり凄みがあるが、深重すぎて読むのが辛い。(166/1000)



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戦前の昭和11年に「黒い行列」として刊行され、戦時色の推移により中断、戦後の昭和31年に「迷路」として完成した1,200頁に及ぶ大作だ。岩波文庫らしく書き出しは難読だが、読み進むにつれファシズムに向かう時代の狂気や青年の心の彷徨、権力者たちのエゴイズムが大団円として描かれる。すごい作家がいたものだ。(495/1000)

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