夏の砦 11月 30, 2021 バラをバラと言わないで表現するのが文学だよと文豪の何某が言ったそうだが、これだけ回りくどい表現に塗り込められた作品には辟易とする。スタンダールの赤と黒じゃないが、フランス文学に傾倒するとこういう作風になるのかと呆れる。グスターフ候の十字軍遠征の挿話がなぜ必要なのか意味不明だ。形而上学的に美や死を見つめるのに支倉冬子というキャスティングは明らかに間違っている。(109冊目) 共有 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ ラベル 読書三昧 共有 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ コメント
迷路 (上)(下) 7月 07, 2025 戦前の昭和11年に「黒い行列」として刊行され、戦時色の推移により中断、戦後の昭和31年に「迷路」として完成した1,200頁に及ぶ大作だ。岩波文庫らしく書き出しは難読だが、読み進むにつれファシズムに向かう時代の狂気や青年の心の彷徨、権力者たちのエゴイズムが大団円として描かれる。すごい作家がいたものだ。(495/1000) 続きを読む
罪の声 8月 09, 2025 ようやく5年半をかけて500冊に到達した。区切りの一冊は映画化された同書だが、映画とは細部が微妙に異なるだけでなく、文字から伝わる感動はまた別物だ。グリコ森永事件の真相を独自解釈した構想も壮大だが、なんといっても加害者側に組み込まれた子供たちの運命に焦点を当てた作者の視点が作品に普遍性を与えている。(500/1000) 続きを読む
ながい坂 (上)(下) 6月 21, 2025 これが正しいという信念にとらわれると、目も耳もそのほうへ偏向し、「正しい」という固執のため逆に、判断がかたよってしまう。1,000頁を越えるこの本から何度も同様の警句を読み取りながら、相変わらず正義感に走ろうとする己を律しきれないのが歯がゆい。人間とは己の分を守ってその能力を遺憾なく果たしていきたいものだ。(494/1000) 続きを読む
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