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あなたは嫌なことがあるとすぐ顔に出る、とは細君がよく指摘する台詞だ。そういうわけだから今日も若い女性職員に電話を取り次いだら、なんで私を指名するんですかと抗議されてうろたえた。日頃の親切な応対ぶりに感服しているからなのに、なんだその言い草はと目ん玉が飛び出るような驚きが表情に出ていたことだろう。ところがそこはマスクのありがたさだ。顔半分が見えないお陰で、彼女に嫌悪は伝わらなかったに違いない。人間らしい感情の伝わらない世界で仕事をする若者たちに愛、希望、自由といった胸がときめくような言葉は果たして伝わるのだろうか。
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